2015年12月のブログ記事、
「思い出のコンピューター3〜X1編」1年半ぶりの続編、
今回は長いので前、後編で!

私がえいあん丸に拾われた1984年(昭和59年)頃、
えいあん丸の経営状態はお世辞にも良いものではなかった(今もだが)

毎朝、人を雇って送迎バスを駅に走らせて、じいさんと私はくるか来ないかわからないお客を早朝からぼんやりと船で待つ、7時半頃に送迎バスがカラで帰ってくると、その日も「休み」がほぼ確定する、

「じゃあ、オイル交換しよう」とか「漁具を片付けよう」とか、仕事らしきことを見つけて1日を過ごしては、「業者に頼めば数万はかかる仕事をした、今日は良かった良かった」などと自己満足をするじいさん、最初のうちは「これも覚えるべき仕事」と割り切ってはいたものの、次第に「仕事らしきこと」も底をつき始め、午前中じいさんの思いつくままにやくたいもない作業をこなして昼飯を食った後は、そのまま、じいさんばあさんのとりとめのない話を聞く毎日、

やることないならせめて「帰っていいよ」って言ってくれないかなぁ、
で、夕方帰ってからは暇つぶしにパソコンで遊ぶ毎日、

同業者からは「土日のえいあん」などと陰口を言われる始末(今と変わらないか?)

このままではいかん、じゃぁ、何がいかんのか?、答えは見つからない、

あぁ、あのまま訪問販売やってた方が良かったなぁ(なにせ金にはなる)
などと、鬱屈した日々を過ごすこととなる、(又しても一向に出てこないパソコンの話)

転機になったのはその年の年末年始、

暮れが近づくとばあさんがブーブー言いながら年賀状の宛名書きをしている、
字を書くのは苦手なんだそうだ、
その数はわずか数十枚、出しているのは顔と名前が一致している常連さんだけ、
年が開けると、毎週のように来ているにもかかわらず「俺はもらってないなぁ」という人もチラホラ、
当時、乗船名簿は、早く来て茶の間で世間話しているお客さんに大学ノートをまわして書いてもらうという方式、
どうやら、駅から来るお客さんは家に上がらずそのまま船で会計を済ませて乗船名簿もつけてないからばあさんの頭には残っていないのだ、

逆に、ここ数年うちにはこないお客さんでも「この人に昔〇〇をもらったことがある」などという理由で年賀状を出し続けていたりもする…

顧客管理ができてないなぁ…

あっ!

乗船名簿をもとに顧客管理して、来船した時期や回数を記録したらいいのではないだろうか?

パソコンで…

趣味と実益がばちこ~ん!とハマった瞬間、まさに天啓を受けた瞬間だった、

駄菓子菓子、いやいや、

だが、しかし、当時所有していたパソコンX1は8ビット、漢字(というか2バイト文字)は扱えない、64kbのメモリーの大半をosとbasicが占めてしまうので、大きなデータは扱えない、
どうしたものだろう?

8ビット機の中にもメインメモリーを倍の128kb搭載した高価なビジネス機は登場してはいた、しかしそれは本来8ビットCPUのアクセス空間であるはずの64kbを理論上2段に搭載する「バンク切り替え」という方式によって実現していた裏技であり、私の心の師ともいうべき祝一平氏が「毛虫のように」嫌悪していた禁断の技術だ、師の教えに背いてダークサイドに落ちるわけにはいかない、

また、NECのPC9800シリーズに代表される16ビット機も市場には出回り始め、こちらに関しては漢字ROMさえ搭載されていて、メモリー問題と漢字問題両方を解決できる選択ではあったが、せっかくの16ビットという広大なアクセス空間を有しながら、下位機種のPC8800との上位互換性を維持するために64kbずつに小分けに使うというセグメントという理論に縛られていた、これもまた美しくはない、

(ちなみに今更いうことでもないが、8ビットと16ビットでは倍違うというわけではない、

2の8乗=256と2の16乗=65536の差があるのだ)

ぶっちゃけて言ってしまえば、難しいのだ、8800も9800も、

今のようにソフトウエアがネットでタダで手に入る時代ではない、売っていないし、売っていてもビジネス用のソフトはべらぼうに高い、

パソコンを買って「プログラムを書いて」使う身としては、他社のパソコンに乗り換えて一から覚え直すのは面倒だ、

以上が「目的」の部分だ、

要約すると、

「使い慣れたシャープ製のパソコンで漢字と広いメモリーを備えたやつないかなぁ」

手段のためには目的を選ばない私、

言い間違えてはいないぞ、

「手段」のために「目的」を作り出している私と言い換えてもいい、

そんな私のためと言ってもいいパソコンが1985年に発売になる、

「MZ-2500」だ

MZ80シリーズや、X1と同じZ80CPUを使いながら、1.5倍の6MHzという高速(笑)で動作する、

標準でも128kb、オプションで(数万円したが)256kbまで搭載されたメインメモリーはバンク切り替えではなく、8kbごとのビットマップ方式で扱う美しさ、

当時ワープロ専用機で第一線だった書院シリーズと同程度の辞書ROM、

添付ソフトはBASICだけだったけど、強力なエディターで、行番号、関数、命令文などが色分けされるためエラーが一目でわかるとか、

つまりそうさ、

これを買うための理由づけに、「顧客管理」を持ち出したと言っても過言ではない、

早速まだ数ヶ月しか使っていないX1を二束三文で雑誌の売りますコーナーに出し、MZ2500と専用モニター、プリンター、辞書ROMなどを注文する、

当時、そこそこの中型バイクなら買える程度の値段だったとおもう…

後編に続く